ロシア風本格スメタナ

スメタナのことをご存知ですか?
そう、ボルシチに載っている白いものです。ダヒヨーグルト種菌を使って作ることが出来ます。

あの正体はクリームを発酵させたもの、サワークリームです。
しかし日本のサワークリームと違って、軽くてふわふわ、さらさらとしています。
その違いはどこからくるのでしょうか。
主な違いは、乳脂肪分の違いと、乳酸菌の違いです。

乳脂肪分

乳脂肪分は、日本で売られているサワークリームは40%が主流です。
一方で、ロシアのスメタナは20%~30%ほどです。
この差が、硬さの違いになります。乳脂肪分がある程度少ない方が、ふわふわになります。
市販品では、原料の生クリームさえも、これほど低い脂肪分のものは日本にありません。生クリームの主要な用途が製菓原料であり、脂肪分の多いものの需要が多いそうです。

日本で本格的なスメタナを作るには、生クリームと牛乳を混ぜて、乳脂肪分を調整して作るのがおすすめです。

乳酸菌

スメタナに使われる乳酸菌は、クレモリス菌が一般的です。
日本でスメタナの代用品を作るときに、多くの人が市販のヨーグルトに牛乳を混ぜますが、そうするとブルガリカス菌の風味がよく効いて、スメタナの穏やかで奥深い香りが出せなくなります。

クレモリス菌は、カスピ海ヨーグルトの乳酸菌としても知られています。
しかしカスピ海ヨーグルトの菌で作ると、粘りが出て本物らしくなくなってしまいます。
ダヒ種菌には、クレモリス菌が含まれます。ただし粘りが出にくいタイプの菌株になっています。これにより、粘らずふわふわで、香りの奥深いスメタナを作ることが出来ます。

作り方(スメタナ300mL)

  • 牛乳100mL(成分無調整、低温殺菌・パスチャライズドではない)と、乳脂肪分35%の生クリーム(200mL)、ダヒ種菌1包を用意します。
  • 容器(500mL程度入るもの)とスプーンに、熱湯をかけて殺菌します。
    (生クリームを多くすればより固くなります。)
  • 容器に、生クリーム200mLと、牛乳100mL、ダヒ種菌1包を入れ、スプーンでよく混ぜます。
  • 容器に蓋をするかラップをかけ、室温で(なるべく暖かい場所で)静置します。
  • 固まったら冷やして出来上がりです。
  • 乳脂肪分の固まりが出来やすいので、時々かきまぜて取り出してください。
  • 乳脂肪は傷みやすいので、作ってから2~3日で使い切ることをお勧めします。

牛乳と種菌の代わりに、あらかじめ作ったダヒヨーグルトを使うことも可能です。

そのままで、パンに塗って、ボルシチに載せて、お楽しみください。