水牛のパニールを作ろう

インド圏の乳製品で大変有名なものに、パニールがあります。白いサイコロ状のチーズのようなものです。日本に住むインドの人々はこれを豆腐と表現します。デザートやワインのおともにするものではなく、料理の具材、特にタンパク源のひとつとして使われ、まさに豆腐の立ち位置なのです。食感は固めの木綿豆腐のようです。日本ではカッテージチーズとして紹介されますが、一般的なチーズのイメージより淡泊な味わいで、知らなければ乳製品ではなくて豆腐だと思ってしまうかもしれません。

必要な材料(1~2食分 130g)
・水牛ミルクパウダー 100g(1袋)
・水 500cc
・食用酢 40g程度

作り方
1. なべに水牛ミルクパウダー100gと水500ccを入れ、よくかき混ぜ溶かします。スプーン等で粉を壁に押し付けるようにして溶かします。

2. なべを火にかけ、85℃まで熱し、火を止めます。90℃以上まで熱すると噴きこぼれますので気をつけてください。

3. 食用酢をなべに加えていきます。少しずつ入れながら、全体に酢が回るように軽くかき混ぜます。40g程度で、白い固形物と黄色くて透明な液体が分離します。
40gは酢の種類によって前後すると思いますが、分離すれば酢は十分ですし、液が白いままなら酢が足りません。

4. ざるで濾して、白い固形物を集めます。

5. 固形物を1つにまとめ、手で握るようにして押し固め、水分を落としてください。やけどに注意してください。
私が作ったときは、水を切った固形分(パニール)は132gになりました。

6. 冷蔵庫で冷やした後、サイコロ状に切って出来上がりです。

パニールは通常そのまま食べずに、料理の中で炒めたり煮たりして使います。
簡単な使い方として、レトルトカレーにプラスしてみました。電子レンジでカレーと一緒に温めました。
とても美味しかったです。パニールはミルクのたんぱく質が凝縮したものですから、レトルトカレーが一気に栄養豊富になります。しかも水牛ミルクパウダーで作る場合は脂質はゼロとヘルシー。
カレーに冷たいパニールを入れるよりも、一緒に温めた方が美味しいです。

パニールは通常の牛乳でも作ることができます。乳脂肪分がパニールに取り込まれるため、柔らかくて脆い仕上がりになり、使いにくいかもしれません。味も普通のチーズと似通ったものになります。色は純白になります。

通常の牛乳由来の脱脂粉乳(スキムミルク)でも作ることができます。通常の脱脂粉乳100gを上のレシピで作った場合、酢の必要量は35gと少な目で、パニールのできる量は103gという結果になりました。(水牛は132g)水牛のミルクはタンパク質が豊富な食品であることが分かります。(ただし、手絞りでパニールを作った結果なので、厳密に比べた結果ではありません。)
水牛のほうが牛乳(スキムミルク)より味が濃い目で、色は水牛が白っぽく、牛乳(スキムミルク)は黄色っぽいという違いがありました。

酢ではなくてレモン汁で固めるレシピも多く紹介されています。瓶詰めのレモン100%果汁でしっかり固められますが、料理の具材として使ったときにレモン風味がはっきりしてしまうので、おすすめしません。クエン酸もよく紹介されています。私は試していませんが、美味しいかもしれません。
私が使ったのは米主体の穀物酢です。プレミアムなお酢を使うより、特徴のないまろやかな酢がおすすめです。

かんたんで栄養満点なパニールを、ぜひ一度おためしください。