トルコのアイランとヨーグルト<世界ヨーグルト探訪>

トルコのヨーグルトと言えば、飲むヨーグルトであるアイラン。
ケバブなどのグリル料理には、さっぱりしたアイランがいちばん。
街の食堂でも必ずアイランを提供しており、お客さんを見ているとアイランを頼む人が多いです。
大の大人が大衆食堂で飲むヨーグルトを飲んでいるなんて、日本では考えられない光景です。


残念ながら中身の写真がありませんが、見た目は飲むヨーグルトと同じです。水で薄めてあるので、光の加減でちょっと青みがかって見えます。たくさんのメーカーの商品があります。

これはミント(Naneli)味のタイプ。

イスタンブールの食堂などでは、上のようなパッケージのものが出されますが、カッパドキアのレストランではこんなおしゃれな容器で。

ネット上に写真が載っているような、泡がこんもりした状態のものとは出会えませんでした。初冬の訪問だったので、夏に行けば様々な手作りアイランが売られているのかもしれません。

パッケージの成分表示を見てみると、
原材料は牛乳、水、食塩、乳酸菌 になりますが、計算してみると
ヨーグルト:水 = 2:1
程度の割合が標準のようです。
食塩は最大で0.8%と書いてありますので、アイラン100gあたり0.8gまでということです。
アイランはしょっぱい、ということはなく(商品で差はありますが)、塩が入っているかも、と思う程度です。

イスタンブールの西には、ヨーグルトの街として知られる「シリヴリ(Silivri)」があります。毎年7月にはヨーグルトフェスティバルが開かれています。2017年には56回を数えました。
今回訪れたのは11月で、ヨーグルトに関する観光施設もなさそうでしたが、ネット検索するとヨーグルトメーカーの直売店が見つかったので行ってきました。ARSLANというメーカーのショップです。


ヨーグルト、アイラン、チーズ、牛乳と、たくさんの乳製品が並んでいます。

こちらはカイマクル・ヨーグルト

翻訳するとクリーミーなヨーグルトという意味のようですが、たんぱく質が牛乳の1.6倍程度と、濃いめになっているようです。これは牛乳のヨーグルトです。
カイマクル・ヨーグルトはホモジナイズしていないミルクを使います。上部には脂肪リッチの層がもこもこしています。
多くの種類のヨーグルトがある中で、小さなカップで売られているヨーグルトはこれだけ。無加糖ですが、きっとデザート用なのですね。

こちらは、ヤギ乳75%、牛乳25%のカイマクル・ヨーグルト


こちらも牛乳の2倍弱と、濃いめに作ってあります。金属のおけのなかで作られています。

こちらは、水牛(バッファロー)乳75%、牛乳25%のカイマクル・ヨーグルト

こちらも同様に濃いめ。素焼きの中で作られています。

こちらは、水牛100%のヨーグルト

残念ながらこれは買いませんでした!(お店では何が何だか理解していないので)

こちらは、ホモジナイズ・ヨーグルト

均質化した牛乳を使ったもので、カイマクル・ヨーグルトと対をなすヨーグルトのようです。こちらも買わなかったので中身は見ていません。

こちらはスズメ・ヨーグルト

翻訳すると濾過ヨーグルトとのこと。水切りヨーグルトです。たんぱく質が約3倍、たんぱく質に対して脂肪や炭水化物はホエイに落ちるため控えめです。ホモジナイズされたミルク(牛乳)が使われています。

さあ、試食会です。ゲストハウスで知り合った日本人4人に食べてもらいます。

みなさんと猫ちゃんに手伝ってもらわないと、とてもこんなに食べられません。

評判が良かったのは、なんとヤギのヨーグルト。牛乳とは味が違いますが、とても爽やかで後味もよいのです。チーズだと独特のにおいが凝縮されて、好きじゃない人には食べにくいものになりますが、ヨーグルトは基本的に濃縮されないので、食べやすいのだと思います。

他に人気だったのはスズメヨーグルト(水切りヨーグルト)。組織が滑らかで、日本のギリシャヨーグルトにも似た感じが、良かったようです。濃厚で刺激的な味わいです。

逆に不人気だったのは水牛(75%)のヨーグルト。水牛のヨーグルトは同じたんぱく質量で比べると、木綿豆腐のようにもっさりするところがあるので、食べにくいのだと思います。スリランカのキトゥルパニのように、よい味付けがあれば、印象が変わってくるのでしょう。

カッパドキア観光をしていると、観光駐車場に素焼きが並んでいました。

これ半分はヨーグルト。もう半分は肉料理が入っているそうです。肉料理も気になりますが、ヨーグルトも冷やさなくて良いのか気になります。


この地方で作られたヨーグルトなんですね。一緒に食べてくれる人がいないので買えませんでした。

さて、トルコのヨーグルトは弾力があって伸びるように思っている方がいますが、それはアイスクリームとの混同です。ヨーグルトが粘ったり伸びたりするのは見たことがありません。

トルコのアイスクリームは伸びるのがよく見られます。それ以上に面白かったのは、ヤギ乳を使ったものがあるのです。ヤギ乳のアイスはちょっとプレミアムな位置づけのよう。

例えばこちらのアイスは、陳列ボックスから適当に選んだのですが、下のバニラ、真ん中のチョコレートはヤギの乳、上のドライフルーツが入ったものは牛乳のものでした。食べれば味の違いが明確にわかります。ちょっとクセはあるのですが、日本人のみんなにはヤギのアイスは大好評。食べやすいとのことでした。

(注)上記で紹介した商品等はダヒヨーグルト種菌など弊社製品とは関係がありません。2017年11月に訪問した際の情報に基づいています。個人の旅行記であり、情報の正確性は保証できません。